20代の頃、私はオーストラリアへ出張する機会を得て大喜びでした。
しかし、同時に心の中は英会話に対する大きな不安でいっぱいでした。
正直なところ、英語を「話す」ということに関しては、ほぼ初心者同然。でも、そんな私にも向上心はありました。
出張の中で、取引先の部長さんとの会食の席で、勇気を振り絞って「英語をもっと話せるようになりたい」と言った時のことです。
部長さんは、私の言葉に笑いながら、ゆっくりと「ワー」と答えました。
最初は、「わーすごいね」と言われたのかと思ったのですが、やがて彼が「Why」と言っていることが分かりました。
恥ずかしながら、こんな簡単な会話すら私にはできなかったのです。
そして、私は気づきました。英会話は、長々とした完璧な文を話すことが目的ではないのだと。大切なのは、相手に自分の意図を伝え、理解してもらうこと。つまり、コミュニケーションが全てなのです。
この経験は私の英語学習における転機のひとつとなりました。
「正しい英会話とはなんだろう」そしてそもそも「なぜ英語を上手く話したいのか?」、「そのためにはどうしたらいいんだろう」、これらのそのシンプルな問いが、英会話について私に深く考えさせられるきっかけとなったのです。
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